無視できない障壁「病院へ行く」との戦い

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今回は、無視できない障壁「病院へ行くこと」にどうやって踏み切るか、です。

 

前回は「自分や家族の認知症状の出始めを、どうやって察知するか」についてお話いたしました。

今回は、気付いたうえでの第一関門、「病院へ行く」という障壁をどうやって超えるか、についてお話します。

 

「いやぁ、心配だったら病院行けるでしょ。」と思う方は、前半は飛ばして「受診のコツ」からお読みいただいて大丈夫です(笑)

>>前半を飛ばす

 

■高い障壁…病院へ行く

そもそも、自分が認知症と診断されると思ったら、恐ろしくて病院へ行くことすら躊躇してしまいますよね。日頃の不安が大したものでないなら、「まぁ、いいか、後で。」と思ってしまうのは、自然な流れです。

 

私も、23歳の時に父が他界した折、精神的に落ち込んで、心療内科の受診を勧められたときは、何とも言えない嫌な気持ちになったことを良く記憶しています。

私ですらそうですから、皆さんにとって「心配だから病院へ行く」ということが、どれだけ敷居の高いお話しか、僅かながらでも、お気持ちはわかる気がします。

(実際に、介護の現場でも、「自分が認知症かもしれない。じゃぁ、早速病院へ行こう!」という方は、ごく稀です。)

 

一方で、認知症が進行して悪くなっていかれる方や、ご家族との関係が悪化していく方や、徘徊で数日帰ってこなかった方を目の当たりにすると、「もっと早く病気に気付いていれば、ご本人もご家族も、こんなに苦悩することは避けられたのではないか」という想いがよぎります。

 

それを思うと、やはり「心配であれば一度は受診する」ということが、認知症予防や悪化防止、改善の大切な、大切な、大切な!第一歩であり、そこに勇気を持って臨む、ということが非常に重要な要素であり、このお話しの結論です。

 

少しでも受診のハードルが下がるように、次は「受診のコツ」について見ていきましょう。

 

■「コツ」の前置き:老人性うつと認知症

病院にかかるにも、ちょっとした「コツ」があります。

ここでいう「コツ」とは、「受診する際に押さえておきたいポイント」を差します。

「コツ」の理解を深めるために、ここで少し寄り道をします。

 

実は、認知症と関わりの深いものに、「老人性うつ」があります。(そもそもこの受け容れがたい名称がどうなんだという問題もありますが、一旦置いておきます…。)

 

老人性うつは、記憶障害や被害妄想などが出現する場合もあり、認知症と症状が似ている為、医師でさえ問診だけでは判断が難しいと言われています。

 

(老人性うつについては、また別の記事で詳しくお話ししたいと思います。)

 

一部には「医者が診断を誤って、間違った薬を出して悪くなったという話があるから、自分は病院へは行かない。」と、固く決意している方もいらっしゃいます。「ただでさえ不安なのに、さらにわけの分からない薬で悪化することは避けたい。」という気持ちはとてもよくわかります。

 

しかし、残念なことに、放置しておいて悪くなることはあっても、良くなることはありません。

仮に認知症症状が発症して進行すると「自分は大丈夫。ボケてないから病院へ行く必要はない。」と、頑なに受診を拒むようになり、治療が遅れて症状がさらに悪化するという傾向が多く見られます。

(こうなると、受診一つをとっても介護職だけでは難しく、ご家族のご理解と、ご協力がかなり必要になります。)

 

 受診のコツをつかんだうえで、しっかり検査と診察につなげれば、そういった状況は防ぎやすくなりますので、やはり、早めの受診をすべきと言えます。

 

■というわけで「受診のコツ」

老人性うつの原因の主なものは、「自身の状況の変化。社会との離別感。」などです。

ですから、受診時には医師に、「最近の生活の変化」を伝えたり、「老人性うつなのか、認知症なのか、あるいは他のものなのか」と、明確に質問してしまっても良いでしょう。

もっと言えば「誤った薬が出て、症状が悪くなったと言っている人がいたから、しっかり検査してもらいたい。」と、検査を受けたいという意向を伝え、検査してもらいましょう。

 

お医者さんを目の前にすると、なかなか言いにくいこともありますよね。

そういうときは、ご家族が一緒に行けるなら、ご家族から口添えしてもらうと、よりラクかもしれません。もし、ご家族の同席が困難な場合は、あらかじめ、伝えることを紙に書いておくと、言い洩らしが生じにくくなります。

 

■受診のコツ~主治医に相談

介護の現場でも、「早めに受診を」とお伝えすると、「どこか良い病院あるかしら?」とご相談を受けます。多くの方は主治医がいらっしゃると思います。主治医の先生に相談されるといいでしょう。その先生が認知症専門医であれば相談に乗ってくれるでしょうし、専門外であれば、専門医を紹介してくれるはずです。

「どこの病院がいいかしら」と質問されることもありますが、病院の善し悪しはドクターとの相性もありますので、一概にどこが良いとは言いにくいという事情があります(苦笑)

 

これについては、ご提供できる情報がありましたら、記事で追加していきます。

 

今回のお話しのポイントは

・心配になったら、とりあえず主治医に相談。

・老人性うつなのか、認知症なのかをしっかり検査してもらう。

・そのために、生活上の変化、忘れっぽくなったことでの困りごとをまとめておく。

でした。

 

しかし、「病院に行くほどの心配はしてないんだけど、とにかく認知症を予防したい」という方も多いでしょう。

 

というわけで、次回は「認知症になりやすい生活」と「なりにくい生活」について見ていきましょう。

 

今回は少し長かったですが、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 木村周吾

(参考資料:認知症は怖くない18のワケ・浦上克哉 著/ 健康管理士一般指導教員受験対策講座・日本医協学院 発行)