認知症を患っていても最後まで心(感情)は残っている

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みなさま、こんにちは。スマートライフ研究所の秋山です。

今回は、先日私がデイサービスで働いているときに起きた、実際の出来事をお話しします。

■デイサービスでの出来事

私は現在、週に2日ほどデイサービスで生活相談として働いています。

デイサービスを開設した4年前よりも、明らかに認知症を患っている方は増えています。もちろん認知症状がない方もいらっしゃいますが、約8割は認知症を患っています。

人の性格がまちまちであるのと同じように、認知症の症状の出方もまた人それぞれ。これが正解というやり方はなく、その人にあったケアを行っています。

 

私が、いつものようにレクリエーションをしているときでした。

レクリエーションの内容は「子供の頃の思い出」でした。一人ひとり子供の頃の楽しかったことや、心に残っていることなどを話してもらっていると、ある認知症の方(A様)がレクリエーションの内容とは違うことに興味を持ちだしました。

A様は机の上のティッシュペーパーが気になったのか何枚も取り出しは折って、取り出して折ってを繰り返していました。

周りの方々は「どうしたのか?」 「なにしてんだ?」という反応をします。ですが、認知症のケアの手法ひとつに認める・否定しない・取り上げないということもあるので、私は特に止めることもせずにレクリエーションを進めながら、その方の行動を見守っていました。

 

すると、A様の隣に座っていた方(B様・軽度の認知症の方)が、突然、不安な表情で「帰りたい。人に笑われるのは嫌だから。」と席を立とうとされました。B様に特に現れやすい症状は「被害妄想」です。なので、周りのみんなが笑っていると、自分のことを笑っているのではないか、と不安になってしまうのです。スタッフ何名かで、B様の不安な気落ちを一通り伺ったあと、「大丈夫ですよ。Bさんのことで笑っているんじゃありませんよ。」とお話したところ、一旦は落ち着きを取り戻してくださいました。

ですが、今度は「帰りたい・・・・肩が痛い・・・」と、形を変えて不安を訴えられました。

 

その時でした。ティッシュを折っていたA様が、B様の肩をさすって「大丈夫だよ。笑ってないから。」と、とても優しい表情で語りかけてくれたのです。

私を含め、他のスタッフも嬉しくて泣いてしまいそうでした。

その後、B様は落ち着きを取り戻され、レクリエーションも最後まで参加されたのです。

 

認知症を患っても、何もかもできなくなるわけではないのです。

A様はB様に対して、心から「大丈夫だよ」と安心感を与えてくれました。たとえ、うまくご飯を食べられなくても、さっき言ったことを忘れても関係ありません。優しい心が残っていて、友人の心を癒すことができたのです。そんなA様は素敵だなぁと思いました。

 

確かに認知症を患うと、最近のことを忘れてしまったり、以前はできていたことができなくなったりします。ですが、心(感情)は最後まで残っているのです。

きっと、日本中の介護の現場で、こんな物語が日々、繰り広げられています。

「認知症だから全部忘れちゃうんでしょ」「認知症だから何を言ってもわかんない」という認識は間違いです。

 

 「認知症を患っていても最後まで心(感情)は残っている」

 

 

もしも、認知症を患っている方と接する機会があれば、この言葉を思い出していただき、心の心を通い合わせるコミュニケーションをしていただければ本当に嬉しいです。

秋山恒夫